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9/2(木)~9/13(月)
故・中山美千恵 紙わらべ・人形展
が開催されます。
普通、人形はお顔が大事だと言われることが多いですね。
「紙わらべⓒ」」
はあえて目鼻をつけず、その仕草の表情を通して情感を表現する
創作和紙の人形です。
人(子供)をほぼ1/10に縮小した大きさの人形です。
そしてこの人形を通して昭和初期の日本の風物・風習を表現しているところに特徴があります。
昭和53年、28歳の中山美千恵さんは
「紙わらべⓒ」に強い感銘を受け創作活動を始めました。
以前にも和紙を用いた人形は作っていたことはありましたが
「紙わらべⓒ」の制作方法はそれらとは全く異なっていました。
最初は戸惑うことばかりでしたが、師「高木栄子」の指導のもとに
人形作りに取り組み、20年過ぎ、30年迎えようとした頃から
ようやく自分でも納得のいく人形が作れるように感じられてきたそうです。
でも目鼻をつけない、「紙わらべⓒ」に命を吹き込むべく
人形の仕草やポーズつける点ではなおも試行錯誤日が続いていました。
師からは
「常に日頃から子どもや人の仕草や立ち居振る舞いをよく観察しておくことが大事」
との教えもあり、自分なりに積極的に取り組んでいました。
そして制作から30年が過ぎ、自ら一区切りをつけようと
小さな個展を計画し、一層人形作りに励んでいました。
でもその夢を叶える前に病に倒れ急逝していまいました。
未だ完成途中の作品もあり、人に供覧することは美千恵さんの本意ではないかも、、、、と思いながら
この故人の生前の想いを叶えるべく
ご家族が展示会を開催することになりました。
30年間、ひたすら制作された人形達には
邪念のない無垢なこころが宿っているように感じられます。
そこから私もお会いしたことのない美千恵さんの純粋さが偲ばれます。
一つ一つの人形が手塩をかけたわが子のような想いだったのはないでしょうか、、、、、、
私の子供の頃、TVゲームもパソコンもない時代に
毎日、ビー玉やめんこなど日が暮れるまで戸外で
遊びまわっていた日本の古き良き時代を懐古させる人形達。
そんな一場面が春夏秋冬のテーマごとの作品群や
人形からストーリーを彷彿する一体ごとの人形や
それにまつわる小物などを展示しています。
人形達はその仕草・体の表情を通して見る人のこころの中に
その情感のまま、各個人それぞれに顔の表情が浮かび上がることを願って作られています。
そして会期中には
作家の弟、中山一彦氏が姉を偲んで作詞・作曲をし、
姪っ子さんが歌っているわらべ歌が流れます。
誰もが安らぎのホットな気分に浸れるこの作品展を
どうぞご覧になってくださいね。
故・中山美千恵 紙わらべ・人形展の詳細
アート〇美空間Saga・HP