パリ市内を離れて二つの世界遺産を訪ねてみました。
地球の世界遺産の中で行ってみたい人気NO.1は
空中都市とも呼ばれるペルーのマチュピチュだそうです。
そしてNO.2がフランスのモン・サン・ミッシェル!
パリからは片道4~5時間位。
天気が悪かったので、モン・サン・ミッシェルの外観が拝めるかどうか、、、、?
心配してましたが、何とか到着時は曇りに。
砂地にそそり建つ修道院の外観は修道院というよりも城塞のようです。
満潮になると海の中にプラミッドが浮かんでいるようにも見えるかも!
遠くからだと孤島のように人を寄せ付けない閉塞感があるのは
実際に軍事要塞や牢獄としても使われた時代もあったからでしょう。
708年に建設が始まって数世紀に渡って増改築が繰り返され
中世の様々な建築様式が混ざり合っているので
「ラ・メルヴェイユ(驚異)」
と呼ばれる中世教会建築芸術の傑作と称えられています。
最上階の回廊は中庭を取り囲むように2列美しい細柱がある僧達の瞑想空間
優美な円柱と天井のアーチのある貴賓室は白さが際立っていました。
15の間はどこもが個性的な作りで修道院の生活様式にはなっていますが
海に囲まれた花崗岩の城のようで迷路を彷徨っている気さえしました。
海に浮かぶ幻想的な島は朝と夕方など太陽の光の変化があるほど
更に神秘的な光景になるそうです。
私は日帰りだったので見られませんでしたが、できれば一泊する方がお薦め。
でも帰りにはこんな光景も
城塞のような修道院でもモコモコ柔毛の羊の群れとのコントラストで
とても印象がソフトになって平和でのどかな田舎風景でした。
モン・サン・ミシェルに聖地としてやってくる多くの巡礼者のために
栄養とボリュームのある食事として考案された名物の「ふわふわオムレツ」
一人一個ではなく何人かで分けて食べるので巨大で凄いボリューム!
切ると中身がトロ~と出てきます。
シュークリームのクリームが甘くなくてメレンゲのように軽い。
ふわふわオムレツの初めての食感!
デザートのアップルパイは日本のシナモン入りより素朴な味で私は好きです!
パリとモン・サン・ミッシェルの途中で寄った村。
「フランスのもっとも美しい村」の1つに認定されている
「ブブロンオンノージュ村」は、ラブリーな木組みの家々が並びます。
一つ一つの家のデザインや木の組み方が違っておもちゃ箱のよう。
人口は230人でとても小さく、この日はガレージセールをやっていて
一年の中でも賑わっている日とのことでしたが、、、、?
観光客も少ないのでのんびりしていました。
村の唯一のパン屋さんがとても美味しいということで
フランス語が分からずに適当に買うとどれもリンゴ入り!
パリのパン屋さんでもアップルメニューが人気でしたが、、、
当分アップルパイやタルトタタンは食べたくないな~ (^^;
シードルやカルヴァドスなどフランス人はリンゴ好きのようですね。
さてこのブブロン村より、もっと素朴でわら葺農家のある田園風景が
世界遺産でもあるヴェルサイユ宮殿の一画にあります。
宮殿内はガラスの回廊など豪華絢爛
ちょうど今、ここを借りて村上隆が個展をしていますが、、、、
「ヴェルサイユが作品に相乗効果をもたらす場所なのかな~?」と
アンバランスが狙いとはいえ、なぜヴェルサイユで?と笑えてきます。
「どちらかというとブローニュの森みたいな所であのニコチャンマークのような作品を
遊ばせてあげたらいいのに、、、」とつぶやいています。
さて宮殿よりも今回お目当てに行ったのが
ヴェルサイユのこの広大な庭園の右45度方面の遥か彼方にあります。
堅苦しい宮廷のしきたりを嫌ったマリー・アントワネットがこよなく愛したという
「マリー・アントワネットの離宮」
プチトリアノン
宮殿の豪華さよりもプチトリアノンの可愛らしいインテリアは
マリー・アントワネットが少女時代を送ったオーストリアのシェーンブルン宮殿の
雰囲気が漂っている気がしました。
調度品も実際の生活が垣間見れるように展示されています。
庭に建てられたプライベイトなリトル劇場もこじんまり感が
リッチな芝居小屋のよう。
そして王妃の村里は
ここがヴェルサイユと忘れてしまうような安らぎのあるこの風景。
ルイ16世から贈られたPETIT TRIANINを
マリー・アントワネットが改造し村里を付け加えました。
今でも動物達が放牧されていて、のどかで警戒心が全くありません。
特に白鳥やヤギやロバは人懐っこく
向うから近づいてくるのでなかなか立ち去れずに相手をしてしまいます。
派手で浪費家のマリー・アントワネットのイメージがありますが、
自分の家族や身近な友人や愛人達と過ごすための田園、
親密な安らぎの隠れ家を愛する一面もあったのですね。
フランスの田舎風景も楽しめるヴェルサイユ宮殿は既に秋の花でいっぱいでした。