ち ょうど1カ月前にカラヴァッジョのこの絵の画像を見た瞬間、
「大きな画像でも見えないけれど、あれが描かれているのではないか?」という想いが過ぎりました。
展覧会中に東京に行く予定はなかったのに、急用ができ上京することになりました。
これも不思議な力?
是非観ておけ!と絵が呼んでいる気がしました。
確かめに行ってみよう!
絵の前に幾度となく角度を変えて立ち、目を凝らして観ました。
すると「やっぱり、、、流れてる!」
目尻からツーと涙が….....美しい。
<法悦のマグダラのマリア>
彼女の涙の想いが私には聞こえてくるようでした。
内なる声まで聞こえそうなカラヴァッジョの画法を目の当たり にしたのは
6年前にイタリアで。
同世紀の宗教画とは全く違う生身の人間のような描写力が深く印象的でした。
その時以上にこのマグダラのマリアの絵ともう一つ心に残る絵に今回出会えました。
同じ1606年に制作された<エマオの晩餐>
カラーシャツを着ているキリスト?!
当時キリストを一青年のように描いていた画家が他にいたでしょうか?!
少し辛そうに、、、でも静かに真摯に諭しているように見える。
品格あるキリストの面持ちと絵の中の総ての人達の雰囲気からその場の空気感が伝わってきて、見ていると何だか次第に熱い物が込み上げてきました。
こんな素晴らしい二枚の絵を、カラヴァッジョは殺人を犯した年に描いたとは!
どういう精神状態なのか、、、、二重人格かな~?!
差し迫っているからこそ描けた作品なのかも?
自己顕示欲が強く激情的ながら、彼の奥深さとカリスマ性に只々魅了される傑作でした。
ドラマチックな絵と同じように波乱万丈な生涯を送った光と闇を操るバロック絵画の創始者の一人。
38歳で没したので現存する真筆は約60点と言われ、今展世界初公開の絵を日本で観れたことに感謝です(^^)
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