風や水など自然のエネルギーで動く彫刻として世界的に有名な新宮晋。
今までで最大規模の個展ということで兵庫県立美術館に行って来ました。
美術館展覧会や誰かの作品展を観る時は、予備知識や情報を入れずに行きます。経歴や他の人の評価よりも、自分の感性にどう響くかを楽しめるように、、、
今回はジェームズ・タレルの作品を体感した時と同じように、しばらく余韻が残り高揚した気分になりました。
全て風や水の力で動く18点の作品の中で私が印象深かった3点の作品。
風というよりもその場所に漂う空気の流れ?!作品は計算されて創られていますが、動きは自然になすがまま?!
肌には微風も感じられないほどなのに、数十センチの位置の違いだけで同じ形状の布の動きがこんなに変化する<風>
空気の流れが目で感じられことに驚きと発見!
水で動く<雨の光線>
綿密で完璧に設計された美しいステンレスの彫刻。水の流れで次々に繰り出される動きの美しさや、刻々と変化して阿修羅像の何本かの手が動いているようにも見える面白さ。
観る角度によっても全く違って見える。
ラスベガスやドバイの有名な噴水ショーのコンピューターでプログラミングされたゴージャスでダイナミックな動きでもなく、同じ自然エネルギーの風車や水車よりも、もっともっと複雑で心地良い。
「凄い、凄い~!不思議~!」と何度も驚く私の表情?リアクション?が面白かったのか、大きな声は出してないはずなのに、次の部屋へと向かう際に監視員から笑われてしまった、、、^^;
運よく広~い空間に2・3人しかいなかったので、作品のすぐ横に座って観られた<小さな惑星>
水の流れとステンレスの動きが水面の反射で光が織りなす流れ星のスペクタルショーのよう。
一方で海底から太陽が差し込む水面を見ながらイルカが泳いでいるようにも見えました。
大きな空間の中を無尽に大きな光がユラユラ・スーと変幻自在に動く、、、
夢見心地の感覚は、今展で一番心に残る作品でした。
ボクは、アートの力を信じている。政治にも経済にもない、心から心へ直接伝わる特別な力がある。ボクは、この星に生まれてきた幸せを、一人でも多くの人に伝えるために、ものを創る。
新宮普「この星に生まれて」より
彫刻のようなカッコ良さを持ちつつ動くアートとして、文明の機械にはない地球の力や自然が持つ魅力を改めて感じさせてくれた<新宮晋の宇宙船>は3月18日~5月7日まで開催されています。
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