京都祇園祭は7月1日~1か月間にわたって行われます。
先週はハイライトとなる山鉾巡行が行われました。
今まで祇園祭は何度か見にいきましたが
巡行を見たのは学生時代にチラッと遠目から見たっきり。
この度は祇園祭の副理事長「吉田幸次郎邸」に
おじゃまさせていただきました。
吉田邸は一般開放されている町家ではありませんが、
築100年の昔ながらの佇まいをそのまま現存し続けるよう
ご尽力なさっています。
京町家の立地する敷地は、間口よりも奥行きが深いため
「うなぎの寝床」とよく呼ばれていますが
町家の多くは裏庭があって途中に坪庭と呼ばれる小さな庭があります。
京都の蒸し暑い気候に対処できるよう
いずれも採光、風の通り道として風が上に抜けるようになっているので暑さもしのぎやすくなっています。
山鉾町内の旧家や老舗は期間中
屏風や掛け軸など秘蔵の美術品を飾っています。
「ちまき」は食べるものではなく
目に入りやすい門口などに吊るして
翌年の祇園祭に新しい「ちまき」に取り替えるまで
疫病災難除けとして飾っておきます。
その邸の2階より目の前を通る山鉾巡業を真近で見せていただきました。
毎年、先頭を行く長刀鉾は現在、生稚児が乗る唯一の鉾。
宗近作の長刀を鉾頭にかざした花形で祇園祭の絵の代表格ですね。
他にも順次、山鉾が通っていきました。
大通りでないので、時々車がギシッとどこかに当たったような音が聞こえたり、つまづいたように止まりかけたり、囃子方と同じ目線の位置にいたので声を掛け合ったり、とても迫力がありました。
人気の蟷螂山は「かまきり山」とも呼ばれ
かまきりの羽や鎌が動くなど唯一のからくり山。
鉾頭にみかづきをつけた月鉾。
屋根裏の草花図は丸山応挙筆、天井の源氏五十四帖扇面散図、
前懸のメンダリオン絨毯は17世紀インド製。
左甚五郎作の彫刻、飾り金具などが全て豪華な鉾。
私の横にいた方のお兄さんが月鉾で笛を吹いていました。
囃子方の皆さんは「祇園祭命」で年中お稽古に余念がないそうです。
京都人は昔から 舶来物好きということで
ベルギー製やフランス製・インド製などの絨毯が
飾れている山鉾も多いそうです。
そういう所からも日本の古都にあって
新し物好きの京都人気質が表れていたということです。
最後に私達の目の前で巡行を終えて町内に帰ってきたのが北観音山。
この山は曳手も音頭取も囃子方もすべて外国人でした。
「うわ~、面白い!」
伝統的な行事を外国人が日本人と見間違えるほど上手になるには
毎日毎日相当練習してくれたことでしょう。
こんな素敵な光景に皆さんが笑顔で拍手喝采でした(^^)
そして最後の締めの音頭も外国人の声に合わせて
日本人の私達が一緒に手拍子をしました。
町内を競い合っての伝統文化を外国人に教え
任せたこの町内の方々の器の大きさ!
舶来物を自慢するだけでな異文化いう壁を越えて
和と洋の融合を実践されている心意気に感激しました。
神戸にもこんな面がどんどん広まってくれたら.......
表面的なモダンさだけでなく
文化にも新しさを取り入れることを恐れず、
時間を費やすことを惜しみなく実践できる人々が増えて
インターナショナルな神戸のイメージがもっと飛躍できるよう
頑張りたいですね!
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