今春,Sagaで開催された
matou展
その時展示した二人の作家・酒井稚恵さんと宮田彩加さんが偶然同じ京都のギャラリー恵風で同時期に個展を開いたので、先日拝見してきました。
酒井稚恵さんの「星屑のエレジー」
手縫いの彼女の作品からはいつも宇宙を感じられます。
今回は小さな小宇宙作品が空間にちりばめてありました。
並んだ柄の布をちくちくと縫っていると、
てのひらにポトリと、
流れ星が届きました。
流れ星は、いらなくなった空の星屑。
私は耳を澄まして、
彼らの哀しみのうたを聴きます。
糸は星が流れた軌跡のようにも見えます。
それは奇跡を起こす暗示なのかもしれませんね。
宮田彩加さんの「生命力の形態と対称性」
ミシン刺繍で動物や生物をモチーフに斬新なデザインを得意としています。
生物の形態は人間でもそうですが全くの左右対称ではありません。
同じように左右対称にプログラミングした刺繍データーなのに糸の調子や布の張りによって微妙なズレが生じる。
その不完全な対称性や「崩れ」の神秘的な美しさに彼女自身も惹かれています。
どんな作品でも言えることですが、偶発的な技というのは予測がつかないからこそ観る者にも「一期一会の美」を作品に見出すのかもしれません。
一針一針のアナログの手縫いとテクノロジーのミシン刺繍という相反し、テキスタイルでも違う作風のようなのに、作品から糸が伸びるという共通点が面白い!
偶然にも二つの上下空間での展示は見比べると楽しい作品展でした。
アート〇美空間Sagaサイト