「イサムノグチ庭園美術館」と共に牟礼町にもう一つ世界的に知られた木工家具作家の「ジョージナカシマ記念館」があります。
ジョージナカシマは世界的に知られた木工家具作家で、木工家のパイオニア的な存在です。
日本の工芸を広めている元サッカー選手の中田英寿さんも来館のサインを木に書かれていました。
アメリカ国籍の日系二世でシアトルで裕福に育ちました。
大学で森林学と建築学を学び建築家としてのキャリアを積むものの、戦時中日系人強制収容され、全てを無くし過酷な人生を体験しました。
戦後、木の仕事に人生を賭け本格的に家具制作に挑むため、ペンシルヴァニア州のニューホープで手に入れた広大な未開の森を開拓者のように家族で切り開いて工房を作りました。
木目の美しい無垢材を使って木の特性を活かした構造
シンプルで知的なデザイン
座ってみると体がすっぽり収まり包まれた感じで、背筋が伸び姿勢も整います。
自然の中に包まれながら「木から始めるtこと」「木から知ること」「木のこころを読むこと」「木と対話すること」 から木という素材ならではの造形と意匠に心を砕いていたことが伝わってきました。
アメリカでは1952年に建築学会のゴールドメダルを受けるなど早くから認められ、スミソニアン博物館、シカゴ美術館などに展示されています。
1973年にはロックフェラー邸の設計を吉村順三氏が担当し、ジョージナカシマの家具が合う邸宅にと220点以上のほとんどの家具をジョージナカシマが製作するという大プロジェクトを成し遂げています。
ニューヨークのハドソン川上流にあるというこの邸宅。漆喰の白い壁がぐるりと巡らせてある設計模型を見て本当に驚きました!
他の豪邸は美術館になって公開されてもいますが、こちらは今でも一族が住んでいらっしゃるそうで、よほど住みやすいということでしょうか!
日本建築の中で和のインテリアや豪華な古伊万里の食卓の様子などの写真がありました。日本文化を気に入られているようで本当に嬉しいですね~(^^)
受付で写真撮影NGと言われていたのですが、記念館の豊田さんから撮影をOK!してくださったり、イスに座らせてくださったり、丁寧なご案内のおかげで、「こんなに有名な木工作家がいたとは~!」と思いがけず工芸の巨匠のストーリーを伺えてラッキーでした。
日系アメリカ人2世としてアメリカ社会の中で生きる力の逞しさ、人生の苦難を強いる覚悟の在り方そしてモノを見る力など、20世紀を代表する独自の世界を確立したイサムノグチとジョージナカジマの足跡を垣間見させていただきました。。
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