漆二人展 下條華子・永守紋子が
2018年6月9日(土)~17日(日)
11時~18時(会期中無休)
に開催されます。
京都市立芸術大学において一学年違いで漆芸を学び、作家として十余年を経た二人の展覧会です。
日本の伝統工芸である漆ですが、漆器以外の漆の作品はあまり馴染みが無い方も多いのではないでしょうか。二人とも柔軟な視点や切り口で、漆という素材の魅力や可能性をそれぞれのアプローチで作品を展開しています。
下條華子の作品は
柔らかいボリューム感、力を蓄えた張りのある形、ひだの表情などに魅力を感じ布を膨らませた形をもとに粘土や石膏を用いて型を作り、漆の乾漆技法を主に造形しています。
漆塗膜の柔らかい艶やかな質感や漆加飾の箔や金属粉や色漆の表情、それらが相まった漆ならではの美しくも可笑しみもある作品など、形と一体となるような幅広い加飾表現を探りながら展開しています。今回は乾漆の作品と瓦を使った作品に新作を交え新しい表現の展開も見て頂けたらと思います。
永守綾子の作品はうつわや小箱などの用途のあるものを作ることが多かったのですが、
今回は一つの作品に時間をかけ、感覚を確かめながら完成させるような作品を心がけました。漆は仕上がりを決めてそこに向けて一気に工程を進めていくという作り方に適した素材であり、美しさの見え方には技術という枠組みの中ですでに決まったものがあります。
花びらを一枚ずつ描いたり、その位置を吟味したり、乾き具合を調整したり、素材との対話から生まれる絆のようなものを探す作品作りをしています。
二人の作家が卒業後どんな時間を積み重ね制作展開してきたのか、、、
根底にあるものは同じなのか、、、、
二人が空間を共有することで見えてくる幅広い漆の魅力や新しい可能性を発見し、漆を更に知るきっかけになる展覧会になればと思います。