久しぶりに写真展・大谷記念美術館に行ってきました。
蜷川実花展
―地上の花、天上の色―
若者、特に女性が多いのは
名前のごとくビビッドな色の花や鮮やかな色彩の写真が人気なのでしょう。
有名芸能人達のポートレートでは彼女の妄想的人物が写し出されていました。
昨今、若い女性の浴衣や着物姿が和洋折衷のような出で立ちに変化しています。
写真展を観ていると蜷川美花さんが火付け役だったのかもしれないな~と思いました。
着物の柄は洋花だったり、帯に大きなシフョンのリボンを合わせたり
沢尻エリカや鈴木さりなの白無垢姿でも頭には
ドレスを着たときと同じような大きな洋花だったり、、、
これも蜷川実花監督・土屋アンナ主演の映画「さくらん」の影響かも?!
映画の中でも写真でも花魁姿の土屋アンナの着物姿は
お嬢さん達にはカッコ良く魅力的だったのかもしれませんね。
でも先日、振袖の帯にも大きなふわふわの大きなリボンを合わせている
お嬢さんの後ろ姿を見て
「オットー???!」
と思うようなコーディネイトが、、、(――;)
そんな流行の兆しにはついていけない私です(笑)
展覧会の中で私が一番良かったと思った写真は4点しかない
モノクロ写真でした。
彼女自身のヌードをモノクロで撮っていました。
「あの頃 私の心の中は、いつもざわざわイラついていた。
今あの頃の私に、少し嫉妬する私がいる。」
というコメントがありました。
華やかな写真のオンパレードの中で目がクラクラする私が
一息つけたような4点でした。
ポートレートでは被写体として自分を作りあげて演じている物より
無防備な美っていうのか自然体の美っていうのか
作り出された虚像美の姿より真実の姿が出ているような写真が好きです。
写真家のアンリ・カルティエ=ブレッソンがマリリン・モンローを撮った写真のように。
写真を撮る意味・撮り方・被写体との間隔など
何かを見る時の感覚の研ぎ澄まし方を教えてくれた映画
「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」
青春のメキシコ、捕虜収容所の脱走、戦時下のパリ
助監督もつとめた映画監督ジャン・ルノワールと の出会い
“マグナム”の仲間たちとの思い出
マリリン・モンロー、ココ・シャネル、トルーマン・カポーティ、
サルトルとボーヴォワールら
20世紀の“顔”を撮影したエピソード・・・。
その映画の中で
「えっ!これがモンロー?」
と驚いた程、少女のような顔であどけない瞳をした女性の写真がありました。
いつものセクシーな表情よりとっても綺麗でした。
モンローもブレッソンにかかると、自分の鎧が取れるのかもしれません。
これが真実の彼女の姿!
ブレッソンが引き出す魔法の力!
ある写真家がパリでアンリ・カルティエ=ブレッソンと知り合って
「写真は必ず相手があって、それを映し出すことであるが
ただそれだけでなく
作品には写す人の人柄がでるものだ」
ということをはっきり知ることができたそうです。
私も映画の中でブレッソンが慈しむように自分の写真を眺める姿から
「どの写真も愛を持って撮り続けた人なんだろうな~!」
と感じた写真家でした。
一瞬の写真は
「目と頭と心を連結して撮る」